ここでは、今の気持ち、想いを裁かれることなく、そのまま認められます。表明されることを大切に受け止め、共感的に聴きます。そのやりとりは場に育ちあい学びあう力が宿る助けとなります。「ほめること」ごほうびや競争など大人の思惑でコントロールしません。また、「しかること」で枠に閉じ込めたり何かを強要することもありません。
私たちの考える育ちあう場はほめる、しかる(アメとムチ)で躾け、コントロールするところではありません。また、過剰な指示や禁止や命令、競争や評価であおり、動機づけするところでもありません。
ここでは共感や素直な生命の触れあいで一人ひとりの健やかさにアクセスすることに努めます。そしてその力とプロセスを信頼します。
そのことで育まれる「自分が好き」「自分はできる」といった健全な自己愛、自己肯定感、自分への自信が勇気と安心となり何事にも取り組んでいける意欲の原動力になると考えます。
自由な学校は手づくりで簡素な設備です。その暮らしも安易に既成品を購入したり、専門家に任せたりしないで可能な限り自分たちの手で施設の管理や修繕まで行っています。薪に火をつける、もやす、フロをわかす。メシをたく。ナイフやナタ、ノコギリで木を削る、割る、切る。手間を惜しまず、手や身体や道具を使って暮らしを共につくります。
働くということを金を稼ぐためではなく、生活の「快」や他者や共同体への貢献としてとらえます。暮らしとつながった手応えのある労働、働くということを自由な学校全体の文化・環境として大切にしています。
コンテンツ(成果)への効率を追いかけて細分化した教育はしません。教科も時間割もありません。押しつけ、動機づけといった大人主導の教授法は極力しないで自由な中での主体的な学びを待ちます。
ここでは一人ひとりが尊重され「自分のやりたいことを決めてやる」ことを大切にします。他者や全体とのおりあうことや、継続的なプラン、プロジェクトも話しあいですすめ調整しつくりあげます。そのプロセスも学びだと考えています。「学び方」を学びながら民主主義で学ぶ、認めあう実感を日々重ねます。
田植え、稲刈り、野菜の収穫、干し柿づくりに漬物づくり、味噌づくりなど、農業者の知恵を学び、農作業体験で働く喜びを分かちあいます。無農薬有機農業を提唱する「大地といのちの会」代表吉田俊道氏の理念と実践に学び土づくり、畑づくり、健康づくりを実践します。そのことで生命の循環と神秘、大切さを学びます。
旅行、遠足、キャンプ、社会見学など、学べる場所へどんどん出ていきます。五感をフルに活用する体験学習として、火・水・土、TOEC農園の自然や生き物とのふれあいを大事にしています。川や海、身近な自然へでかけ様々な原体験を通して、知恵を育み創造力を身につけます。様々な分野の達人やおもしろい大人から「本物」を学び、その土地、風土、ひと、異文化から学びます。そこまでのプロセスも学びだと考えています。自由な学校では、地球全部が学びの場です。
TOEC自由な学校には、壁も塀もありません。向かいの土手をウォーキングする人、周りの田んぼで農作業する人、互いに風景となり見えています。参観日や発表会などもありません。事前にご連絡いただければ、親はいつでも何回でも自由にお越しいただけます。よそいきの特別な一日ではなく「いつもの一日」がかけがえのないものであり、子どもたちのありのままの姿を見て頂きたいし、そこに身をおいてそのことの価値や意味も共有したいと願っています。
学期に1回のペアレンツグループ(保護者会)では、親自身がタテマエや肩書きをはずして「自分になる」レッスンを。親の小さな気づきは、子どもの育つ環境にも大きな変化を与えます。
また、月に一度の「夜学」は、運営や教育方針について、スタッフを交えて話しあう場です。テーマ決めや全体のファシリテートは交代でペアレンツ(親御さん)主導ですすめられています。「憲法について」「性教育について」など具体的にテーマをあげて学びあったり、自由な学校の運営や内容について共に考えて方針を決定した
りもします。
夜学で話しあったことをスタッフがもちかえり結論を皆にあとで報告するのではなく、夜学の場に居合わせたものの総意でとりあえずの結論を出す(多数決ではなく満場一致!?)ところに大きな特長があります。