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つながりの中で生きる

  • TOEC農園のキャンプ

竹タケ探険キャンプ(2017.3.25~27)

春が始まったばかりの季節。いつもより冷たい春。
2日目、朝から意気込みTOEC農園から飛び出し竹山へ。みんなでタケノコを必死に探すが、なかなか見つからず。次々と秘密基地作りなど他に興味がいって、たけのこ探しのメンバーはごくわずか。残ったメンバーの意欲はさすがに高く「なにがなんでも見つけ出す!」とクワやシャベルを片手に傾斜のある山道をたどたどしく歩く。スタッフも心の中ではもう見つからないかも…と思いながらも、子どもたちの非常に前向きな意欲に引っ張られる。長時間、探すその根気に敬意を覚えるほどだ。
傾斜でつまづいた子がごろごろを転がり(本人談)、顔を上げるとそこにタケノコが!そこにいたタケノコ探し隊のメンバーの歓声が竹林に響く。なんとすがすがしい顔!他の事をしていたメンバーも、それに応えるように「やったー」「すごいなぁ!」と喜びを分かち合う。緩やかにばらばらで遊びながらも、他の子のやっていることを察しているのだ。ゆるやかな一体感が生まれている。
結局、見つかったタケノコはそれだけだった。その日の夜、おいしいタケノコ天ぷらにして少しずつ分け合い美味しくいただいた。春の甘い匂いのするタケノコの味は、今でも私の身体の記憶に強く残っている。
キャンプでは、「全てのプロセス」を子どもたちに見て(感じて)もらいたいと思っている。モノや情報がすぐ手に入る現代に生まれ育つ子どもたちにとって、お金さえ出せば手軽に食べ物にありつける。遊びだって、ゲームやアミューズメントパークなど刺激的で熱中させる仕組みに簡単にのめり込む事ができる。どれもこれも、安易に手を出しやすい。けれど、簡単に捨てたり飽きたりすることも多いのではないか。切り売りされているモノの裏側で見失われる全体性。
人や自然とつながりながら、生きているという事実。その実感を持たずに育つことこともできるかもしれない。ただ、このつながりの中で活かされている実感があるからこそ、相手を思いやることや謙虚になることなどの感覚や感情も育まれる。時間をかけて身につけていく、人と生きるための大切な経験。
いくらお金を儲けても、地位や名誉を獲得しても、またたくさんのモノに囲まれていても、必ずしも豊かだとは限らない。春の香りをたっぷり届けてくれた、タケノコの天ぷら。おいしいねと言いながら分け合って食べる幸せ。ささやかな中にもつながり感がふんだんに入っていて、味も格別。こんな豊かな時間を重ねるTOECのキャンプ、ぜひまたご参加下さい!

キャンプの風景