TOEC農園は、暑かった。毎日毎日、ドロンコ遊びで水をかぶっていないといられない3日間。最終日、ようやく秘密基地をつくる流れになり、少人数ながらなかなか立派な基地ができました。木陰にできた基地には涼やかな風が通り、せっかく作ったからここでごはんを食べよう!と一気にもりあがり、どの子も意欲的にテーブルやゴザ、お水やお鍋を運んで楽しいお昼ご飯(しかもカレーライスでますます嬉しい!)となりました。
キャンプスタートの頃は、
子ども「お風呂はいつ入るん?」スタッフ「いつでも、好きな時に入れるよ!」
子ども「カブトムシをおびき寄せるゼリーぬっていいん?」スタッフ「もちろん!」
子ども「キャンプファイヤーはやりますか?」スタッフ「自分がやりたければ、いつでもやろう!」…など
スタッフに指示を仰いだり、許可をもらったりするような言葉が続きましたが、『自分で決めること』を重ねていく中で、次第に少なくなっていきました。
おとなの都合もいろいろあるのでワルモノ探しはしたくないのですが、子どもたちが自分で決める、とか考えてやってみることが少ない日常が垣間見られます。せかされることなく、正解を求められることなく、他者の想いにあわせることなく、自分の感じていること・考えていることをつかみ、言葉にし、行動する。TOECのキャンプで大事にしていることのひとつです。夢のような場所にきた、と思う子もいるでしょうし、苦痛で仕方ない、という子もいるでしょう。おとなだって、きっと同じように思う人がいると思います。
特に強い意志がなくても、なんとなく流れてなんとなく進んでいく人生をおくることもできる今の時代ですが、だからこそ自分を見失ったり、自分の価値を問いたくなる時代とも言えるのではないでしょうか。
生きていくための底力として、自分の気持ちや身体の声に耳を澄ませ、それを信頼すること。その中で、他者とつながりをもち、自然とつながりをもち、生きること。キャンプでの小さな積み重ねの中で、子どもたちが「自分らしく、いきいきと」育っていくことを願ってやみません。TOECのキャンプは年間を通して行っています。ぜひ、またキャンプでお会いしましょう。