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ためらわず、のびのびと描こう

「漁火村 世界バンダナアート展」のデザイン画募集案内を絵本作家の梅田俊作さんからいただいた。漁火村は梅田さんの絵本「漁火村の学校」の舞台となっている。美波町伊座利の海辺沿いに、定置網のように見せかけて並べられるバンダナ。それは自然の恵みや伝統漁法を未来に残していこうという伊座利からのメッセージだ。

TOECフリースクールの子供たちも、思い思いの海、魚のイメージを描いた。

ミト(小2)はお母さんの故郷、沖縄にすむカラフルな熱帯魚。フミヤ(小1)はクラゲとカニ。何とも愛嬌のある仕上がり。ホダカ(小2)は大ダコ。ふんわりして平和な気分にさせてくれる。トモキ(小1)は真っ赤なイセエビ。ミズキ(小4)とソウタ(小3)はそろってサメを描く。画用紙から飛び出てきそうな迫力。加えて描いたチヌ(クロダイ)は、尾のあたりまでズンドウで不恰好。しかしその力強さに妙に引き込まれる。

ひいき目は百も承知だが、僕はフリースクールの子らが描く絵の大ファンだ。どの絵もためらいがないのびのびしている。しかもどことなくユーモラス。美しい伊座利の海辺に、バンダナにプリントされたそれらの絵がはためくと思うと、アート展が待ちどおしい。

今、フリースクールは彼岸花が消え去り、代わって満開のコスモスが風に揺れている。柿も色づいてきた。季節は移り変わるが、フリースクールの子らは相変わらず元気いっぱい。

昨夜の大雨で広い田んぼは、さながら巨大プール。いや巨大ドロンコスタジアム水しぶきをあげて、スタッフのオカメがハルヒサ(5)、ヒカル(6)、ハルト(6)らと駆けぬけ、水たまりにダイブ!頭からドロ水かぶって大はしゃぎ。

「タツロウ。頭が重いよう」。頭でも打ったかと驚いて声のした方をふりむくと、ソウタが見事に全身ドロだらけ。そしてその頭の上に大量のドロ土。重いはずだ。スタッフのデコポンと互いにドロだらけの顔を見合わせ、目と歯だけ異様に光らせてニヤリと笑う。そして畑にある彼らの大好きなマキで焚くおフロヘ。

青空の下のおフロはさぞ気持ちよいことだろう。彼らの描く絵も、のびのびして当然だ。この健やかさ、いかなる理由があっても奪ってはいけない。

ドロンコの2人の背中を見送りながら心の中でつぶやいた。